決算月は何月が良い? ~ある税理士の独断と偏見~

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経営者の方から法人を設立する際に、「決算月は何月が良いのですか?」とご質問頂くことがございます。今回はこの問いに答えたいと思います。
まずは結論から・・・絶対的に何月が良いということはありません!これが答えになります。もう少しご説明を加えさせて頂きますと、全ての法人に当てはまる都合の良い特定の決算月というものは存在しません。ということになります。

日本の法人は3月決算法人が多いというような話をよく耳にしますし、国税庁の発表している統計情報を見ましても、実際に3月を決算月としている法人が一番多いようです。

しかしながら、3月決算法人だと得になる、全ての法人に当てはまる絶対的な理由があるかと言われれば、思い当たらないというのが正直なところです。そのような絶対的な月が存在しないので、1月から12月までの各月を決算月にしている法人がそれぞれ存在しているのだと思います。

もし、"3月(ではない他の月でも良いのですが)決算が絶対にお得!"になる理由がございましたら是非ご一報頂きたいと思います。私の勉強不足を補って頂けると非常に助かります。

決算月の決め方

一般的には、次のような理由により決算月を決めていらっしゃるのではないでしょうか。
・設立年度をほぼ1年にするため設立月の前月に設定する
・3月や12月など日本の慣習的な区切りに合わせる
・個人事業と区切りを合わせるために12月にする
・複数の会社を経営している場合に決算月をあえて合わせたりあえて分けたりする
・決算に関連する作業や申告期限とご本業の繁忙期の関係から設定する
・資金繰りの状況から設定する
・消費税の免税事業者でいられる期間を考えて設定する(インボイス制度が導入される予定ですので、この考え方が減ることになるかもしれませんね)

決算月を決める理由は他にも色々なものが考えられます。従いまして最初の結論、絶対的に何月が良いということはありません!になりましたがいかがでしょうか。皆様の状況を踏まえてお決め頂ければよろしいかと思います。そもそも決算期を事後的に変更することは可能ですしね。

ここからは、独断と偏見でお伝えすると、税理士・会計事務所ならではの希望?のようなものがございます。
概ねどの税理士・会計事務所も年末から3月の個人の確定申告までが繁忙期であることが多いようです。また、前述の通り日本の法人は3月決算法人が最も多いようです。ですので個人的には「4月から9月までの間に決算月を設定すると私がお手伝いする場合だけでなく、他の税理士さんや会計事務所さんからも喜ばれる気がします。」とお話しすることがあります。こういうことを言うと、自分の担当する法人は5月決算が多いとか7月決算が多いとか言い出す人が会計事務所には大勢いたりもするのですが…

そもそも税理士や会計事務所の都合なんてどうでも良いですよね♪
<参照元>国税庁 統計情報

この記事は、令和3年10月31日現在の法令等によっています。
この記事は、具体的事項に対するアドバイスをするものではありませんので、具体的な事項については、ご自身で専門家にご相談ください。
【著者プロフィール】金子崇行(かねこたかゆき)|金子会計事務所 所長税理士
1976年神奈川県横浜市生まれ。前職が大手金融機関で、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、AFPの資格を持つ。会計事務所で10年間の実務経験を経て2019年2月に金子会計事務所を開業。日本橋富沢町にオフィスを構える。
「お客様のためになることをやりたい。」をモットーに日々業務に尽力する。
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